2008年11月30日 10:27
「テレビを消そう」という運動を提唱している人が多くいる。「ノー電子メディアデー」と称して、携帯電話、テレビゲーム、インターネットなどを使わない日を設けようとしている人々である。この章は文明の利器から一定の距離をおく、スロー生活について考えてみることにする。
まずテレビを消した風景を想像してみよう。
など様々な生活革命がおこる。テレビという装置がいかに毎日の生活に関与し、我らを操作していたかが分る羽目に陥る。何分にも勝手に喋ってくれるロボットがいないため、火が消えたような家となり、人々は生活意識を変えなければならないことになるのだ。
しかし当初途惑った人々も、やがてはノーテレビに慣れて、それ相応のライフスタイルを持ち始める。多くの実践者は「やればできる」と、口を揃えて言う。結果、家族に会話が増えれば、理想的なノーテレビ論者の正論が見えてくる。
またお医者さまは、テレビゲームの害から子どもを守れると断言する。テレビゲームは反射神経だけ鍛えて、肝心の前頭葉の働きには効果なく、むしろ考える働きを阻害して「キレル子ども」の原因にもなると忠告する。「ゲーム脳」と呼ばれる負の現象が起こっているからだ。
このようにテレビを消すということは、我ら自身の生き方や家族の関係にまで様々な影響を及ぼすことになり、失うものも多いがそれに対応して、得るものも多いということになる。功罪が悲喜交々といったところである。
具体的な「ノーテレビ」のやり方を記しておこう。
なかでも一番悲惨なのは、親が子どもの相手をすることから逃避するために(これが実は1番多い、悲しい現実だ)、テレビをあてがっておくことだ。「黙らせテレビ」という魔物である。

また情報弱者になるという不安もあるがこれも大半は間違っている。どうでもいい情報をいくら手に入れても、自己満足に終るだけだからだ。大切な情報は人との会話や活字からもたらされる。さらに肝心なのはテレビ情報では、教養が身につかないということである。人間に必要な教養は活字を読むことでしか得られない。活字の1字1字を追いかけることによってのみ、我らは真の情報なる深い教養を得ることができるのである。
まず
ぐらいから始めてみるといいだろう。
こうすればすぐに慣れて他の楽しみが見つかる。それが読書とは限らないが、失ったものを取り返す時間がぐーんと増えることは間違いない。お酒を飲みながらの読書も秋の夜長の至福の時間がゲットできることになる。
さて次は「ノーインターネット」や「ノー携帯電話」についても少々考えてみよう。とくに「ケータイは神様」だと言われるほど、我らの生活基盤に浸透している。従って「ノー携帯電話」などと言えば、お前は馬鹿かと言われることになりかねない。
もちろん携帯のない生活などは考えられないが、ややしばし「だけど、ちょっと待てよ」と立ち止まることも必要なのだ。
ためしに携帯の届かない所に行った場合の自分を想像してみるといいだろう。おそらくはじめは不安でも、やがてその日は、心の落ち着いた清々しい日々になることに、誰でもが気付くはずである。情報の洪水に振り回されている今の自分に、本当に必要なのは、情報より考える習慣であり、考える力なのだと、皆が気付くはずなのである。
インターネットや電子メールも同じだ。瞬時を惜しんで見ていないと不安で仕方ない人が多く、ネットシンドロームに罹っている。
これとて「ノーネットデー」などと言えば現実的ではないが、ややしばしマウスの動かすのを止めて、「だけど、ちょっと待てよ」と、パソコンから離れる習慣をつければ、ずいぶん依存症から距離をおく事ができる。
さらに極論を続けよう。多くの人は電子メディアを、単なるツールとして使いこなしていると確信している。主体側は自分側にあるのだという意識があるのだ。
しかしこれが実は罠である。使い始めたきっかけは確かにそうかも知れないが、無意識のうちに主客逆転した関係になっているのだ。人間が電子メディアに使われているのである。
そして人間の存在そのものが、電子メディアを発展、進化させるために存在し続けることになりはしないだろうかと、多くの人々が薄々感じとっている。これは21世紀の人類が遭遇しなければならない、文明との衝突とも言える。
我らはもはや、電子メディアの磁場から抜け出すことはできない。そのようなインフラの中で、いかに生身の人間として生きていくかを真剣に考え、選択し、実践していくしかないのだ。スローとはある意味では「だけど、ちょっと待てよ」と考えながら暮らしを立て直すことなのである。
まずは身近なテレビを消して、秋の夜長を楽しもう。今まで聞えて来なかった何かの声が聞えてくるはずだから。
食べ物には昔から言い習わされたことわざがいろいろある。いずれも日常の体験から生まれたものであり、生活の知恵といえるもので、スローフードが目指す先人の知恵や食育の知恵の宝庫ともいえる。どこかで聞いた事のあるなつかしき名言名句が多い。そのことわざを集めてみた。
<食べ物・ことわざ集(1)>
ことわざ |
解説 |
<食一般編> |
|
上げ膳(あげぜん)据え膳(すえぜん) |
いちいち客の前に膳を運び、いちいち給仕してもてなすこと。歓待することのたとえ。 |
朝茶は7里帰っても飲め |
朝茶を飲めば、その日の難を逃れるという俗信。 |
朝茶はその日の難のがれ |
朝一杯のお茶は、心が落ち着き、胃の働きを活発にし、健康によい。 |
味ない物の煮え太り |
つまらない物に、量ばかり多いものがあるということ |
羹(あつもの)に懲りて(こりて)膾(なます)を吹く(ふく) |
前の失敗にこりて、無益な用心をする愚かさをいう。膾は細かく切った生肉(冷菜)のこと。 |
アンコウの待ち食い |
動かずにじっとしていて、ご馳走にだけありつくこと |
1膳飯は食わぬもの |
ふたたび帰らぬときに供するご飯は、ただ1膳に限る慣わしで、忌み嫌うこと。 |
煎り豆と小娘は傍にあると手がでる |
煎り豆はあとをひく食べ物だから、ついつい手が出る。小娘も同じのたとえ。 |
飢えたる時は粗食なし |
空きっ腹のときは、何を口にしても美味い。空腹は最上のソース。 |
内の米の飯より隣の麦飯 |
他人のものはなんでもよく見えて、うらやましく思うもの。 |
移り箸はいけない |
おかずからおかずに箸をつけるのは、不作法だという戒め。 |
うまい物は少人数で食え |
もうかる仕事は少人数でやるほうがいいということ。 |
うまい物は宵に食え |
うまいものでも一夜過ぎると味が変わる。 |
梅はその日の難逃れ |
朝、梅干を食べると、その日の災厄を免れる。 |
梅干と友達は古いほどよい |
昔からの友達は頼りになるという教え。 |
瓜の皮は厚く剥け、梨の皮は、薄く剥け |
素材によって剥き方がちがう。 |
えぐい渋いも味のうち |
野菜の個性味として食味には欠かせないということ。 |
お祝いの席には茶を出すな |
「茶々を入れる」と言って、お茶は縁談の席には出さないもの。桜湯がめでたい席に出される。 |
お粥は吹いて食え |
熱いうちに、ふうふう吹きながら食うとうまい。 |
嬶(かか)の顔(かお)は三品(さんぴん) |
にこやかな女房の顔は、ゆうに料理3品の値打ちがあるというもの。 |
かますの焼き食い1升飯 |
ぴちぴちしたかますを焼いて食うと、味がいいから、ついつい食べ過ぎる。 |
粥腹も一時 |
粥でもしばらくは空腹のしのぎになる。 |
京のお茶漬け |
京の人は、口先だけでお世辞がよいとそしる言葉。 |
食うことは今日食い、言うことは明日言え |
うまいものは早く食べ、しゃべることは先に延ばして、考えてから言え。 |
薬屋に回すお金を肉屋に回せ |
病気になってからでは遅い。普段の食養生の大切さをいう。 |
口に甘きは腹に害あり |
うまいものは腹にたまる。 |
黒豆を食べると声がよくなる |
黒豆を煮るとき、黒砂糖を使うにで、この甘味と煮汁が喉を滑らかにする。 |
食わせておいて「さて」と言い |
ご馳走を食べさせてから、さて、実はと持ち出すこと。うまいものを食わせる奴は油断するな。 |
午前中の果物は金 |
朝起きて食べる果物は身体に効果的にはたらく。 |
ご馳走の山盛り |
ご馳走も山盛りに出されたら、食傷してしまう。 |
ご飯を捨てると目がつぶれる |
たとえ1粒のお米でも粗末にしてはならぬ。 |
昆布に山椒 |
取り合わせのいいもの。 |
こんやくは体の砂払い |
こんにゃくを食べると、お腹にたまった砂を払うという俗信。つまり整腸作用がある。 |
菜の自慢はお里が知れる |
菜の味の自慢をするようでは、生活程度も底が知れたもの。暴露するようなもの。 |
酒・飯・雪隠(せっちん) |
客をもてなすとき、特に気を配る3つ。 |
砂糖食いの若死 |
子どもに甘いものを与え過ぎると、様々な糖害を起こし、若死の原因となるという警鐘。 |
3年味噌に4年大根 |
味噌は3年、大根漬けは4年たつと最もおいしくなる。 |
3里4方の野菜を食べろ |
近在、12キロ四方以内で作られた野菜を食べていれば、長寿延命を保障してくれる。身土不二のこと。 |
猪食った報い |
悪事をいたために受けなければならない報い。 |
ジュンサイで鰻をつなぐ |
どちらもぬるぬるしていて、縛りようがないこと。 |
せき止めに大根の汁 |
大根の輪切りに水あめをのせておくと、汁が染み出して来る。この汁を飲むと咳が止まる。 |
大根を食うたら菜っ葉は干せ |
物を粗末にするな。 |
大豆は畑の肉 |
牛肉に近い栄養を含んでいること。 |
鯛も一人はうまからず |
いかにうまいと言われても、たった1人で食べたのでは美味くない。雰囲気も味の内。 |
月夜と米の飯 |
いつまでも飽きのこないもののたとえ。 |
漬物誉めれば嬶(かか)ほめる |
よそのお宅で食事を出されたら、まず漬物を誉めること。それはその家の奥さんを誉めたことになる。 |
土産土法(どさんどほう) |
食生活の基準方式を示した言葉で、地物はその土地の方法で処理する、の意。 |
ないもの食おうが人のくせ |
ないと言われると、余計食べたくなること。 |
鳴る腹にたたりなし |
腹が鳴るのは健康のあかし。 |
塗り箸でなまこをはさむ |
すべり落ちてしまうことから、物事のなしがたい喩。 |
鱧も一期、海老も一期 |
現世ではいろいろなものがあるが、いずれもやがて命が尽きる点では、全く同じものあると言うたとえ。 |
腹も身の内 |
腹も自分の体の一部分だから、大食せずにほどほどにしておけば、つねに健康でいられる。 |
鱒は3年の古傷も呼び出す |
精がつくと信じられていた俗信。雉にも同じような俗信がある。 |
味噌汁の身だけは食べるな |
汁気を含んだ身だけを掬い上げると、お膳や畳、衣服を汚すから、それを戒めたことば。 |
茗荷を食えば物忘れする |
真偽のほどは別として、不眠症にきく民間薬として古くから用いられてきた。 |
麦飯に食傷なし |
口当たりが悪いので、食べ過ぎることがなく、消化もよいのでお腹にもたれない。 |
目で買うな、味見て買え |
すべての食品の選び方、買い方に通ずるコツを表現した金言。品質のいい物が結局、最も割安の品である。 |
餅腹三日 |
餅の腹持ちのよいことを喩。 |
野菜は出盛りが旬 |
出盛り期のものこそ味の深さがある。しかも経済的。 |
痩法師の酢好み |
酢には痩せる効果があると信じられていた。しかし実際は数え切れないほどの効用があり、上手に使いこなしたい調味料である。 |
宵越しの茶は飲むな |
煎茶は時間がたつと、お茶に含まれるタンニンが酸化して不味くなり、アミノ酸が変質するから避けよ。 |
<食べ物・ことわざ集(2)>
<料理一般編> |
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青菜に塩 |
人の元気なく、しおれている様をいう。塩の脱水作用で青菜がしおれることから。 |
青味の魚に梅干し |
鯖や鰯など青味の魚を煮るとき、梅干しを2,3個入れると、生臭さがとれる。 |
味見は三度 |
汁物の味を見るときは、3度吸ってみて、3度目にちょうどよいと感じる程度が1番よい味である。 |
小豆を煮るに竹の皮 |
小豆を煮るときは、竹の皮を少し割いて入れ、水から放り込んで煮ると、柔らかく煮ることができる。 |
烏賊は山のものと煮ると柔らかい |
イカやタコは大根と一緒に煮ると、柔らかくなる。ジアスターゼの効果。 |
1合雑炊 2合粥 |
調理法を変えることにより、同じ米でも、雑炊なら1合で満腹になるが、粥なら2合は軽くいける。 |
1尺の薪をくべるより1寸の蓋をしろ |
蓋をしないで煮ると、燃料の無駄使いになる。蓋をして煮るのが煮物の上手なコツ。 |
イワシ7度洗えば鯛の味 |
イワシも不必要な脂を落とせば、鯛と同じ味になる。 |
うまいまずいは塩加減 |
料理のうまいまずいは塩加減1つで決まる。 |
海背川腹 |
魚の焼き方の順序で、海の魚は背から、川の魚は腹から焼く。 |
梅干しはご飯の腐敗を防ぐ |
梅干しを2,31個、ご飯の中に埋めておくと、ご飯の腐敗を防ぎ、いやな匂いもつかない。 |
おにぎりは手を湯で湿せば固く締まる |
手に水を湿らせてむすぶと、べたべたとなり味も落ちる。水の代わりに熱い湯を使うと、固く締まり、持ちのよいおにぎりができる。 |
貝類の塩抜きに包丁 |
砂抜きは、真水につけるのではなく、海水より薄目の塩水につけ、さび釘か包丁を入れて、暗いところに一晩置くとよい。 |
夏下冬上 |
炭火をおこすときの心得。夏なら火種を炭の下に置き、冬は上に置くとよくおきる。 |
かびやすいパンは冷蔵庫に |
食べ残しのパンはポリ袋に入れ、冷蔵庫に保管する。 |
鴨が葱を背負ってくる |
首尾の良いことをいう。鴨に葱は格好の出会いで、取り合わせがよいのたとえ。 |
腐っても鯛 |
鯛は水分が少ないため、腐敗菌が増殖しにくく、1部が侵されても、なんとか使いものになる。品格のよさもさることながら、こうした実益が尊ばれる。 |
魚は表側から焼く |
魚は盛り付けたとき、頭が左側にくりようにする。このとき、表になるほうから焼くということ。 |
魚を素焼きして保存する |
鯛や鯵、鮎などは一度素焼きにしておくと、煮付けても形が崩れない。 |
鯖の生腐り |
鯖、鰯、秋刀魚、鰊などは肉質が柔らかく、水分が多いために、比較的はやく腐敗し始める。油断禁物。 |
塩辛い鮭は酒をかけてから焼け |
鮭に限らないが、塩味のきつい干し物は、酒をふりかけて、5分くらい置いてから焼くとおいしくなる。 |
塩だらに糸昆布 |
相性のいい季節の出会いもの。 |
醤油のカビはにんにくで防ぐ |
醤油ににんにくを入れておくと、カビにくくなる。 |
食事の仕度は姉さんかぶりして |
食べ物に埃や髪の毛を落とさないように、姉さんかぶりして、気を配ること。 |
水道の匂いは、やかんの蓋を取って沸騰 |
水道水の嫌な匂いは、やかんの蓋を取って、5,6分沸騰させてから使うとおいしくなる。 |
蕎麦とお化けはこわいもの |
蕎麦は茹でてからすぐに食べないとまずくなる、幾分こわめ(かため)のほうが美味いということ。 |
大根の皮取らぬ阿呆、生姜の皮取る阿呆 |
大根は皮を剥かないと苦くてまずい。生姜は皮を取ったら食べる部分がなくなる。 |
竹の子に米糠 |
竹の子は米ぬかを一掴み入れて、水からゆでるとあくがとれる。 |
玉葱はぬるま湯につけてから調理 |
刺激性のガスを抜くために、水かぬるま湯にしばらくつけておいてから調理するとよい。 |
鱈汁と雪道は後がよい |
鱈汁は後になるほどおいしく、雪道は踏み固められた後が歩きやすい。 |
調味料の入れ方サシスセソ |
煮物をするときの調味料の入れ順。砂糖(サ)塩(シ) |
てんぷら油に梅干し |
古いてんぷら油の煮立った中に、梅干しを2,3個入れて黒ずんでくるまで煮ると、油が幾分若返る。 |
茄子は油で色止める |
茄子の美しい色を残すには、油でさっといため、色止めしてから調理するとよい。 |
匂い松茸 味しめじ |
まつたけは香りよく、しめじは味がよい |
喉元過ぎれば熱さ忘れる |
どんな苦しいことでも、そのときが過ぎれば、すっかり忘れてしまう。人の恩もかくのごとし。 |
8珍を前に連ねるも1肉の味わいに過ぎず |
山海の滋味珍味を並べられても、口に合った肉の1品dもあれば、他の物は用はない。 |
刃物をまたぐとバチガあたる |
道具を粗末に扱うことの戒めと、うっかり扱うと怪我をするぞという戒め。 |
腹が食わずに目が食う |
食欲は視覚に促されることが多い。日本人はとかく、色香に惑わされがち。 |
日影の梨 |
形ばかり整っていて、味が悪いもののたとえ。 |
古くなった肉は塩水で洗う |
古い肉の匂いは、1Lの水に大さじ1杯の塩を入れた塩水で洗うと、嫌な匂いがとれる。 |
包丁10年 塩味10年 |
一角の料理人となるには、それだけの年季を入れなくてはならぬということ。 |
豆を煮るときびっくり水 |
弱火でことこと煮るよりは、パッと強火で煮立たせたところで、水を入れて、一度温度を下げる。これを繰り返すと弱火で煮るより、早く煮える。 |
麦飯にとろろ汁 |
相性がよく、うまいもの。 |
風呂吹き大根に米粒 |
鍋底にだし昆布を敷き、大根の切り口を上にして並べ、ひたひたに水を入れ、その中に米のとぎ汁か米粒をいれ、落し蓋をして茹でると、おいしく早くできる。 |
塩辛い漬物は酒に浸ける |
塩辛すぎる漬物は酒と水を同量で割ったものにしばらく浸けておくと塩気が抜けておいしくなる。 |
魚網は熱いうちに洗え |
魚網は火から下したとき、すぐに水につけて洗うと、汚れが取れ、匂いも取れる。 |
以上、いずれも何処かで、誰かから聞いた諺ばかりである。「なるほど、うん、うん、分かる、分かる・・」と相槌をうちながら、スーッと心に入ってくるから不思議だ。
そしてこの諺には、食の背景に関する様々な先人の知恵や戒めが散りばめられていることに気かされる。マナー、食養生や健康の知恵、地産地消のすすめ、美味しく食べる知恵など家族が伝承としてきた教えが、秘められている。
問題はこれらの食育の知恵を誰が、どのようにして、若い家族や子どもたちに伝えて行くかである。この食の情報は、栄養学や軽薄に垂れ流されるマスコミの情報よりも、より確かな民族としての「教養」として、今一度、見直すべきだろうと思われる。スローフード運動の具体的な教養は、実は、食のことわざに垣間見ることができるのだ。

念のために山茶花の散る瞬間を見届けようと、小一時間見張ってみた。散り際を見たことがないからだ。他人が見たら、こんな暇人もいるものだとあきれ返るだろう。
山茶花日和のスローなひとコマである。
山茶花は律儀な花や人も亦