2008年11月01日 12:00
9回目の料理研究会のメニューフォルダのデータの公開です。
研究テーマは以下のコンセプトを中心に、郷土料理の新たな味わいを楽しむものです。




14名のスローフーダーが、「おぢやクラインガルテン・ふれあいの里」を訪れた。うわさの滞在型農園(ラウベ)と日帰り型農園の実情を学ぶためである。この里は、千谷市が平成14年から、6億8500万の予算で開発を進めてきた、過疎対策の切り札的町おこし事業であり、スローフーダーにとっては憧れのライフスタイルのひとつである。
里に入るとコスモスが咲き乱れ、農作業の人々が黙々と土に向かっている。さっそく管理事務所(市の職員が駐在、管理、運営)の佐藤卓氏(小千谷市農林課参事)から里の概要説明を受けた。

<里の概要>
●滞在型農園(クラインガルテン)
・ラウベ(宿泊施設)付き農園:全30区画
●日帰り型農園
・84区画●管理棟
・木造平屋、鉄筋コンクリート:面積292,64平方メートル●その他
・駐車場:50台分●管理、運営、交流活動
・職員2名配置 通年対応

佐藤さんに数点の質問した。
当初心配していた課題は、今のところ発生していないようだ。佐藤さんの苦労話の後は、佐藤さんの案内で、里を一巡した。
途中、農作業中のご夫婦に声をかけてみた。都会から週末を利用して関越道を通っているという。主人は60歳前後の半農半民の方だ。

こんにちは!と声をかけたら、気さくに畑仕事を中断して、立ち話となった。
ご夫婦との会話の内容は以下の通り。
応募したらたまたま当選し、田舎出身の奥さんと参加している。
とりあえず5年間は、このライフスタイルを経験し、次のことはその時に考えることにした。
住まいは2階が居間で、3階を寝室としている。風通りもよく、冬の豪雪も気にならない。
光熱費も管理費もそんなにかからない。
テレビもパソコンもあるが、普段は余り使わない。日が暮れたら寝て、日が昇ればまた起きる生活のリズムを大切にしている。雨降りの日は農作業を休み、気が向けば小千谷市まで買物に出かける。医療のインフラも整備されており、特に心配していない。
畑の野菜作りは素人だったが、組合の方が親切に指導してくれ、持て余すほどの収穫となり、子どもたちに送っている。20種類ほどの季節の野菜を栽培できるようになった。これが自慢である。
農機具は鍬、鎌、柵などは自前で揃えた。管理棟に備えてあるが、やはり自前のものがいいから取り揃えた。この鍬も新品だ。
隣家族とは、頻繁に行き来する。食べものを交換したり、酒を飲んだり、栗や胡桃を一緒に採りにいく。組合主催の様々な催しにも積極的に参加して楽しんでいる。よそ者扱いでいじめられたことは全くない。周辺住民の方々は、みんな親切だ。
当初は都会とはまるで違う情報過疎や無人の寂しさに耐えられるか,、と心配したが「郷に入れば郷に従う」の例えのように、すぐ慣れた。もちろん週末だけの仮の住まいという気楽さもあるが、シーンという音がする静けさが2人とも気に入っている。もったいないほどの星空の美しさも堪能している。
時間があるのなら、お茶でも飲んでいかないか、と勧めてくれるご夫婦である。改めて御礼を述べて、また里を探索した。
うらやましきご夫婦だ。晴耕雨読を地で行っている感じである。こんな贅沢な生き方があるのかと、隠遁暮しの憧れの未来を垣間見た気がする。
もちろんすべてが良い事尽くめではないだろう。しかし里で出会う人すべてが、コスモスのように優しい眼差しであることに、やはり感動せずにはおられない。何もかも自然と一緒に生きてゆこうとする人々の優しさが心に沁みる。
この里には、我らが目指すスローな楽園のモデルがあった。それを「なつかしき未来村」という表現で呼んでみたいと思う。
スローフード運動とは、衣食住すべてが自然と調和して初めて成就できる。そんな発見をしたクラインガルテンの訪問であった。