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2008年09月01日 09:05

VOL 15

○なつかしき未来食(DFF)教室(連載7)

 6回目の料理研究会のメニューフォルダのデータの公開です。
研究テーマは以下のコンセプトを中心に、郷土料理の新たな味わいを楽しむものです。



<布川ケイ講師と研究者>

(19) 豚肉の黒酢煮
(20)里芋のずんだあえ
(21)かきのもとと茄子のからし和え

○日本農業の夜明け

 日本の食料自給率が39%から40%に、わずかながら1%上がった。九州や北海道産の小麦の収穫量が増えたことと、小麦などの値上がりで、米の消費が増えたからだという。さらに米粉の利用も飛躍的に伸びている。窮すればなんとかと言うが、まさにそのように推移しているようだ。
 しかしこれで日本の食料自給率が確実に上昇機運に乗るかといえば、そうコトは簡単ではない。WTOの決裂で当分は、海外からの安い米の流入を阻止できたと関与者は安堵しているが、日本の農業が抱える本質な課題は何ら解決されていない。百姓の顔から不安は消えていない。
 しかも、あいも変わらず日本の農業は衰退産業だという人がかなりいる。規模で外国とのコスト競争に勝てないからだ。しかもそう信じて農業を見捨てるも農家もかなり多い。そう思い込まされているのかもしれない。これらが農業のやる気を殺いできたのは事実である。
 しかし本当にそうだろうか。オランダやデンマークの北欧諸国の農業が自立して、輸出産業になっているのはなぜだろうか。農家の耕作面積が狭くても、価格が低下しても、農業を成長産業としている国は多いのはなぜか。
 もし日本もそのような選択肢を選べば、成長産業として海外に打って出られるのではないか。しかも地域経済が大いに活性化することになる。農業技術も発展し、農業技術立国として国際貢献もできる。

 その突破口は、輸出を射程距離に入れた大幅なマーケティングの見直しをすることである。「安い米は、一粒たりとも国内に入れるな」などと、国際水準の数倍もする米価格の維持に力を入れるよりも、不足気味になりつつある国際米市場に参入するほうが、理に適った戦略である。
 世界の米流通量は2500万トンから、禁輸国が増えたため約半分に縮小したと聞く。さらに中国やインドの需要量が増え、国際的な米不足も懸念され始めている。この市場を狙って、米の生産拡大や様々なビジネスを考えるのは、当然のことである。
 日本の米はコストがかかりすぎて、勝負にならないと考えるのは、もう過去の話しだ。いつまでも負け犬意識では、日本の農業の未来はない。コストのハンディはジャパンバリューで乗り越えればいいのだ。ジャパンバリューとは海外からも高く評価されている「日本品質」のことである。
 このジャパンバリューは3点ほど上げることができる。

1、安心、安全を担保にした高品質米の生産。「ジャポニカ」の短粒米と国際市場で流通が多い「インディカ」米の味を追求した米の増産を行う。「メード・イン・ジャパン」を穀物相場のスタンダードにする。
 このバリュー米は、すでに数カ国に輸出されて固定ファンも付いている。
2、多収米技術による飼料米の生産。1反あたり1500kg程度の収穫があれば、エサ米となる1キロ30円まではコストダウンが可能になる。タイ米などと競合できる水準となる。不足分は環境保全コストとして、国の援助でまかなえばよい。トータルで減反も減り、自然環境も守れることになる。
また米粉の小麦に代替される用途の開発と普及は、ジャパンバリューの独占場となる可能性を秘めている。
3、日本品質の農業技術と日本人による農業生産を、世界各地に普及、拡大させる。いわゆる「メード・バイ・ジャパン」である。かって工業製品を世界の隅々まで広げた日本の「農業版」と捉えればいいだろう。

 以上の3点は決して理想論でも楽観論でもない。農業は斜陽産業だと思い込まされていた愚に気づき、そこから早く抜け出した人々が、日本の成長産業の農業を手にいれることになる。
 国策として、とりあえず特区制度をつくり、ジャンパンバリューモデルを作るべきだ。やれることを、やれるところからやってみたらいい。さすればおのずから日本農業の夜明けがくるはずである。リンゴ、イチゴ、レタス、桃などの農産物も順調に輸出を伸ばしており、ジャパンバリューが遺憾なく発揮されだしている。
 腫れ物のように触らずにいたわが国の米政策も、今回のWTO決裂を機に、守りから攻めに方向転換すべきだ。大規模農家のやる気のある人たちは、そう願っている。今までの農政が「攻めのキーパー」に転じることを期待し、農村に朝日が昇ることを祈りたい。