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2008年07月01日 09:29

VOL 14

○ママたちの食育概論(その11)

(3-17)、お弁当の日をつくる

 

 食育論議が盛んです。高い金を払って著名な先生を招くセミナーも、あちらこちらで開かれています。それはそれで大変結構なことです。
 しかし辛辣な言い方をすれば、大方はやりっぱなしの食育ばかりです。栄養教育、食料自給率、添加物などの食の安全性などを、あたかも正義の味方のように喋りまくる講師が多く、何を、責任を持って教えたいのかさっぱり分かりません。
 たしかに栄養教育は大事なことだが、それは単なる食育の一つであって、目的ではありません。これらの無責任さは、食育の目的を理解していないことから起こります。
 食育の目的は、「生きる力」につながることを、「食」を通して教えることです。「食」そのものを教えることではありません。教えるべきは、食卓の向こう側にある様々な事象です。いわば食事教育です。
したがって食育には2通りの筋道があります。

1、栄養教育(お皿の中の教育)
2、食事教育(お皿の外や周りの教育)

 この2点が網羅されて初めて、食育の目的が達成されるプログラムとなります。問題はこのような網羅された良質な食育のやり方が、あるのかどうかということです。
 そこで注目されているのが、「弁当の日」と「教育ファーム」の2点です。とくに弁当の日を設定するやり方は、子ども達の未来を切り開かせる方法として、急速に広がりつつあります。

やりかたは以下の通りです。

1、週1回くらいを目処に、子ども達が自分の手で弁当を作り、学校に持参する
2、子ども達は弁当を作るためには、1時間朝早く起きねばならない
3、ただ起きるだけでは駄目で、前夜の段取りや家族への手配が必要となる
4、献立の内容や材料の手配もしなければならない
5、調理の技も必要になる
6、学校の昼食時には、友達の弁当との見せ合いや交換をやる
7、空の弁当箱は、自分で洗う

 もちろん嫌がる子供もいます。なにもそこまでやらせなくても、という父兄も当然います。しかしこの抵抗勢力を説き伏せながら、全員参加することが原則です。校長先生と教員の断固たる信念が求められます。
で、その結果どうなったか、ということです。子ども達は弁当づくりによって、多くのことに気づきます。親もまた同様です。

  • ママやおばあちゃんが作ってくれる毎日の朝食が、いかに大変なことであるかが身体を通して分かる
  • 子どもは勉強が仕事などと言って、買い物や手伝いすら、させなかったために、いかに子ども達の生きる力を奪ってきたかがが分かる
  • 食材を通して、農業や漁業などの遠いところにある風景が、見えてくる。それはリアルな体験として五感に残る
  • いただきます、ごちそうさまの意味が、自分の弁当づくりを通して、実感する

結局は、リアルな体験でしか生きるための食育は身に付きません。五感も育ちません。体験学習しかないのです。
しかもこのような実践教育を受けられない子どもはきわめて不幸です。たかが弁当づくりなどと侮ってはいけません。この過程で子ども達は、味覚も栄養も食卓のマナーも家族の愛情もすべて学びます。そしてそれが生涯の技として残るのです。
四国で始まった弁当の日は、すでに小、中、高から大学まで広がっています。我が新潟の食育のカリキュラムとして、是非このやり方を取り入れようと思います。
テーマはいろいろあります。

  1. ピクニックのお弁当
  2. 花見のお弁当
  3. 運動会のお弁当
  4. 遠足のお弁当

 など、子どもと一緒に作り楽しむお弁当がいいですね。

○「えご」と「もずく」の普及概論

株式会社 猪貝 
猪貝克弘   

<はじめに>                            
新潟に根付いている食文化の「えご」と「もずく」ついて、以下の項目をお話したい。
論点は8点です。

(1)、「えご」は博多で生まれ、海の道で新潟県に伝わり根付いた海藻食品です。
(2)、ミネラル豊富な海藻食品です。
(3)、「えご」の色について
(4)、「えご」は新潟県ではハレの日に欠かせない伝統食品です
(5)、この夏お薦め簡単レシピ!(ヘルシー「えご」サラダ)
(6)、石川県輪島での収穫風景(海女さんによる岩もずく・えご草の収穫)
(7)、えごの製造(煮て練ったえごをバンジュウに流す作業)
(8)、「もずく」について

(1)「えご」は博多で生まれ、海の道で新潟県に伝わり根付いた海藻食品です。

 記録によれば「えご」(「おきうと」)は享保年間(1716~1735年)に初めて箱崎  (現在の福岡市内)にてつくられたとあります。「おきうと」の名前の由来は大飢饉の際、漁師が博多湾に群生している海藻を見つけこれを煮詰め固めて処食し、これで飢えをしのぎ、人々を救ったことから求人すなわち「おきうと」と言い伝えられているとのことです。 
 北前船、または漁船の往来により博多から能登半島の輪島を経由して佐渡に入り、その後越後各地へ伝わったものと思われます。
 博多の「おきうと」と佐渡の「いごねり(まきえご)」は薄く流した「えご」を巻く点で形態的にはほぼ同じものと言えます。ただ、「おきうと」は直径15cm程の楕円状に流した後、中を筒状にして巻くのに対しいごねりは幅1mくらいの型に「えご」を流しいれ、内から巻き込んでいきます。
 原料は「おきうと」が佐渡産、能登産の「えご草」が主原料で 一部「いぎす」等の海藻を加えているところもあります。佐渡の「いごねり」はほぼ佐渡産の「えご草」で作られています。   
近年、「板状のおきうと」が出回っておりますが、これは「えご」「おきうと」をヒントにしてある水産会社が作らせたもので、原料は寒天等で、博多の「おきうと」とはなんら関連はありません。

資料:本間伸夫先生「残したい私たちの故郷の料理と食文化」

(2)、ミネラル豊富な海藻食品です。

 えごの原料となる「えご草」は青森から能登までの日本海側で生育するホンダワラ類に付く海藻です。漁師や海女さんが海に潜って採集したえご草を数日天日で乾かします。
  弊社では原料のエゴ草は青森県深浦地方のものと石川県輪島の大谷内地区でとれたものを使用しています。
 日本で一番良質とされている石川県輪島大谷内のエゴ草を80%と弾力に特徴のある青森のエゴ草を20%の割合でブレンドし、釜で約30分間じっくりと煮て、練り上げます。凝固剤、添加物など一切入っていない、エゴ草のみを煮溶かして作り上げた、ミネラル・ヨウ素を豊富に含んだ海藻食品です。
  煮て、練り上げた「えご」はとても粘性が強いものですが、これを一度濾した後にバンジュウに入れて固め、冷蔵庫で冷やして出来上がりです。
<食べ方の一例>
1、調理みそをつけて、刺身のように
2、醤油と、ねぎのみじん切りや生姜をあえて
3、薄く切って、海藻サラダに加えて
4、麺状に切って、冷やし中華のスープで
5、みそ漬けにして、お酒のおつまみに
6、黄な粉をまぶしておやつとして

えご100gあたりの標準栄養成分

(社団法人 新潟県環境衛生中央研究所調べ)

(3)「えご」の色について

 えご草は本来赤茶色であり、「えご草」を煮たときの色は赤茶色であるが、一定時間熱が加わることで黒色に褐変します。ただ、浜で採取されたときの「えご草」の色の違い(濃い・薄い)で出来上がりの色目も変わります。

えご草 製品

さらしえご草(3,4日水洗いしては天日で乾かして脱色したもの)

銅鍋で煮ると銅との化学反応で(海藻の赤⇒緑)で緑色のえごになる。

(4)、「えご」は新潟県ではハレの日に欠かせない伝統食品です。

「えご」は仏事や祭りの際には欠かせない、新潟県人には懐かしいふるさと食品です。
 お盆の時期が出荷のピークです。
【えごの作り方】

①えごのりを水に20~30分間浸し、2~3回よく水洗いした後、ゴミを取り除きます。 ②水を切り、鍋で水と共に煮立てます。(えご草10gに対して、水150cc~200cc位)

ポイント:水の量でえごの柔らかさ、風味に大きな違いがでます。

③スプーンなどでかき回し、えご草が煮溶けたら一度火を止め、さらに粘りがでるまで弱火で(10~15分間)よくかき回します。

ポイント:この最後の練りを充分行うことでえごに弾力がでます。

④えごを容器に流しこんで冷蔵庫で固めれば出来上がりです。

年間原料消費量:約50トン

(5)この夏お薦め簡単レシピ!(ヘルシー「えご」サラダ)

<準備するもの>
「えご」、にんじん、きゅうり、だいこん、長ねぎ、豆腐、ドレッシング
<作り方>

① 野菜(にんじん・きゅうり・ダイコン)をピーラー(皮むき)でスライスし、彩りよく敷く。
② 野菜の上に角切りした「えご」「豆腐」を載せる。
③ 刻んだ長ねぎ(またはミョウガ)を上から散らせる。
④ お好みのドレッシング(ゴマドレッシングなど)をかけて出来上がり。
*「えご」の替わりに「もずく」を入れ、ポン酢をかけても美味しく召し上がれます。

(6)、輪島での収穫風景(海女さんによる岩もずく・えご草の収穫)

(7)、えごの製造(煮て練ったえごをバンジュウに流す作業) 

(8)、「もずく」について

もずくの名は「藻付く」という意味で、ホンダワラ類に付着して生育するところからきている。
   ○褐藻類モズク科  モズク(絹モズク)、イシゲ、イロロ
            ⇒低潮線付近の、ホンダワラ類の先端のほうに付着して生育。
             緑がかった茶褐色で、枝をたくさんだす。
             30センチくらい。やわらかくて、粘りけが多い。
   ○ナガマツモ科   フトモズク、イシモズク、クロモ
            ⇒潮間帯よりやや深い場所の岩の上に生育。
             茶褐色または緑がかった色。円柱状で枝をたくさんだす。
             ねばりけが多く、しこしこした歯ざわりがある。

▼弊社加工品
①沖縄もずく 
産地:沖縄で養殖されたもの
収穫時期:3月末から5月にかけて
原料管理:産地加工場にて水揚げ後、一次洗浄し、塩を混ぜて一斗缶詰めして出荷。冷凍倉庫にて保管。
商品特徴:弊社にて塩抜き、洗浄、異物除去後にパック詰め。
               水切りするだけで、別添のタレをかけてすぐに召し上がれます。
               また、サラダや味噌汁の具、もずくがゆにもご利用いただけます。
②岩もずく(石もずく)  
産地:佐渡 外海府  能登半島輪島
漁師(海女さん)が潜って手摘みしたもの
収穫時期:6月から8月初めにかけて
               はじめはねばりけが多くてやわらかいが、のちにかたくなる。
原料管理:産地にて塩を混ぜて一斗缶または箱詰めして出荷。
               冷凍倉庫にて保管。
商品特徴:弊社にて塩抜き、洗浄、異物除去後にパック詰め。
               天然もずくならではのシャキシャキした歯ごたえがある。
               水切りするだけで、別添のタレをかけてすぐに召し上がれます。
               また、サラダや味噌汁の具、もずくがゆにもご利用いただけます。

▼もずくの効用について
もずくは食物繊維を多く含み、ミネラルやビタミンなど不足しがちな栄養素を自然な形で補える低カロリー食品です。また、病原菌O-157などの抗菌作用があるとの報道や、もずくに含まれるフコイダンががん細胞を死滅させるという研究発表がされています。
もずくは海産物として、ナトリウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが豊富なことはもちろん、セルロースという不溶性食物繊維、またはアルギン酸やU-フコイダンという褐藻類に固有の粘り気のある水溶性食物繊維が含まれています。
U-フコイダンの効用には以下の内容の報道・研究発表があります。
①ガン細胞を自己消滅に導く作用がある。
②胃潰瘍の原因のひとつであるピロリ菌が胃の表面につくのを防ぐ。
③病原菌O-157についても抗菌作用がある。
④他にも抗コレステロール作用、血栓ができにくくなる血液凝固阻止作用、抗アレルギー作用、血圧上昇抑制作用など。

▼調理例
1、もずくのみそ汁
①鍋に水とダシ汁を入れて煮立てる。②みそをゆっくりといて加え、食べる前にもずくを入れる。③おわんについで、ゆずのしぼり汁をおとす。
2、もずくかゆ
①ごはん80gをざるに入れ、水洗いしておく。②鍋にだし汁2カップ、①の洗ったごはんを入れて、弱火でひと煮し、もずく20g、しょうが少量のせん切り、塩少量を加えてひと煮立ちしたらすぐ火を止める。
 塩抜きして細かくちぎった梅干を加えてもおいしい。そのとき、塩はごく少量にして、味が濃くならないよう、注意を。

○ママさんの体験レポート(7)

 6月21日の「ママたちの食育学会」の体験レポートです。
今回は笠原美和氏です。その発表内容をご紹介します。毎年5月から6月にかけて、家族のために仕込む、梅のカリカリ漬け、杏ジャム、イチゴジャム、赤紫蘇ジュースの我が家の味にまつわるお話しです。


<笠原美和氏>

○我が家の赤紫蘇ジュースのご紹介
<材料>
          赤紫蘇の葉 (200g)
          グラニュー糖(600g)
          酢(200cc)(好みで300~400cc)

<つくり方>
1、赤紫蘇を洗って水切りをする
2、鍋に水を6カップ入れ沸かし、1の紫蘇の葉を入れ強火で煮る
3、2が煮立ったら中火にし、10分くらい煮る
4、3をペーパータオルなどで漉す
5、4にグラニュー糖を入れ、煮立ったら酢を加え火をとめる。冷めるまでそのままおき、保存瓶に入れる
*ステンレス等、金属容器に熱いまま長時間入れておくと、色が悪くなるから要注意です
*ジュースは炭酸や冷水で割って飲む

発表の後は好例の試食とテースティングです。

その感想を短いコピーにまとめました。寄せられたコピーは以下の通りです。

・さわやかで夏にぴったりの味
・おばあちゃんの味
・まさに手づくりの味
・食後のおやつ カリカリ梅
・お菓子にもまさるカリカリ梅
・季節のこの味
・彩り豊かな季節の味
・やさしい味
・涼しげな6月の味

などです。
笠原氏の想いがこもった色鮮やかな逸品を、以下のコピーで表現することにいたしました。

六月の見た眼にも涼しい 美和さんの手づくりおやつ

 お孫さんにも慕われる笠原氏を、表現するコピーがこれで完成しました。ルビー色の赤紫蘇ゼリー、さわやかな味のジャムなど、これからも大切に守り続けて欲しいものです。



当学会講座に参加希望の方は、下記までお問い合わせください。

〒951-8067 新潟市中央区本町通七番町
石山味噌醤油(株)内
「スローフード・にいがた」事務局
ママたちの食育学会宛
電話:025-228-9462