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2008年05月01日 08:05

VOL 11

○なつかしき未来食(DFF)教室(連載2)

 第2回目の料理研究会のメニューフォルダのデータの公開です。
研究テーマは以下のコンセプトを中心に、郷土料理の新たな味わいを楽しむものです。


<奮闘する研究者>

(4)夏大根の梅じぞ漬け

(5)発芽玄米のおにぎり

(6)独活、大根の皮のきんぴら

○新潟の漬物文化を考える


岩田事務所
岩田桂   

<はじめに>

 漬物業は、もともと農家の副業として発達してきた。その立地は旧来からの自然発生的な発達により全国に広範囲に散在している。
 現在の日本の漬物生産額はおよそ4,315億円/平成16年である。其の内の新潟は182億円の生産高である(第7位)。もちろん企業ベースの数字だから、みやげ物や家庭での手づくり分は含まれていない。
 ちなみに全国の生産額の多い地区は以下の通りである。

和歌山(梅干し)、関東甲信越および京都が3大生産地となっていることが分かる。

<主要な製造業の動向について>

  1. ピックルスコーポレーション(埼玉)は全国規模の企業展開を果たし、156億円を売り上げている。
    →売れ筋は浅漬け、キムチ漬である。
  2. 秋本食品(神奈川)は、155億円の生産高で鮮度管理の難しい浅漬けを得意としている。
    →売れ筋は浅漬、キムチ漬、漬物全般
  3. 東海漬物(愛知)と新進(東京)は、日持ちのする古漬けや刻み漬けを主力にしている。両社とも中国での生産がほとんどである。
    →刻み漬、たくあん、酢漬
  4. 岩下食品(栃木)の「生姜漬」、備後漬物(広島)の「和風キムチ」など、革新的な取組を続ける企業が業績を伸ばしている。
  5. 大手漬物製造業は、仕入商品と自社製造の比率が半々くらいである。
  6. 新潟の製造業については次のとおりである。
  7. 全国的な品目別の売上高はキムチ漬が増加し、たくあんが減少している。韓国からのキムチ輸入高はおよそ90億円と推定される。
  8. 漬物の購入場所としては、日常用は圧倒的にスーパーマーケットである。贈答用については「百貨店」「漬物専門店」の比率が高く、専門店志向、ブランド志向が高い。
  9. 販売経路はスーパーへの直納が増えているが、利益率が低いために、直営小売店での販売や通販によるダイレクト販売を行う企業が増えている。
  10. 新潟には糠漬け文化がない。寒いからだと言う。他府県からきた人がまず驚かされる特徴のひとつである。

<新潟の代表的な漬物>

新潟の漬物
特 徴
効 能

たくあん漬

日本有数の大根産地である砂丘地「赤塚」。新潟のたくあんは、ここで育った漬物加工に最適と言われる赤塚大根を使用しています。 たくあん独特の歯切れや硬さは、「噛む」効果を一層引き出し頭の働き(知能)を高めます。また、低塩高繊維漬物の代表であり、糖尿病の抑制・制ガン効果があると言われています。

味噌漬

新潟県の一大特産品である越後味噌漬。全国に多くのファンを持ちます。 味噌には活性酸素除去機能やコレステロ-ルを低くする効用があると言われています。また、抗ガン作用のある香気成分(ヒドロキシエチルメチルフラノン)は、しっかり発酵させる越後味噌に多いと言われています。

山海漬

新潟漬物の名を全国に高めた「山海漬」。細断したキュウリ、白ウリ、大根等の浅塩漬に海産物である数の子を加え、様々な香辛料、調味料を混合した酒粕に漬け込む、全国的にも珍しい加工漬物です。 わさび漬に含まれるイソチオシアネートには、ドロドロになった血液をサラサラにし、血栓を予防する働きがあるため悪玉コレステロールを減少させ、動脈硬化や脳卒中を防ぐ効果があると言われています。

にんにく漬

特殊な製法によりニンニクから独特の強い臭気を除き、誰にでも食べやすくした栄養価の高い漬物です。 原料となる塩漬けニンニクには血小板凝集抑制成分メチルアリルトリスルフィドやアホエンが含まれていおり、血栓防止効果が期待されています。

十全なす漬

別名「きんちゃくナス」とよばれる卵型のナスです。皮が柔らかく、果実の充実が特徴で、果肉の甘みは他の品種とは一線を画します。水分量も多くナスを手で握ると水が滴るほどです。 ナスは、体の熱を下げ、せきを鎮めるとも言われています。また、その紫色の果皮は赤ワインなどの色素の素と同じアントシアン系の色素で、ココアなどで話題のポリフェノールが沢山含まれています。

資料:新潟漬物工業協同組合のHPより

 とくに越後味噌に仕込んだ味噌漬けは、多くのファンを持っている。蕗、わらび、なす、胡瓜、生姜、茗荷、山ごぼう、茎わかめ、唐いも、長岡野菜などは新潟の味噌漬けには欠かせない貴重な野菜となる。
 また山北町や朝日村に古くから伝わる「かぶ漬け」も、特産品として名を馳せている。とくに焼畑農法による赤かぶ(温海かぶ)を仕込んだ「かぶ漬け」は絶品だ。その具体的な漬け方は、山田キヌ子氏からママたちの食育学会で公開されている。是非参考にして欲しい。

<新潟の漬物のつくり方>

さて新潟の田舎漬について、その具体的な漬け方をみてみよう。
一般的な8点あげておきたい。

  1. 白菜の切り漬け
  2. 野沢菜漬け
  3. たくあん漬け
  4. 松前漬け
  5. 白菜漬け
  6. 生姜のしそ漬け
  7. 蕗のとうの酢漬け
  8. 茄子漬け

(1)、白菜の切漬け(即席漬け)

通常の白菜漬けは、1週間ほどかかるが、以下の方法であれば翌日食べることができる。時間のない時には便利である。
最近はキムチに押されているが、温かいご飯や肴には根強い人気がある。家庭でも簡単につくれるから、是非我が家の味をお楽しむことができる。
  <材料>

 ・白菜(1/4)
 ・陳皮少々
 ・刻み昆布少々
 ・塩大1
 ・醤油大(1/2~1)
 ・酢大1(林檎酢をおすすめ)

<漬け方>

  1. 白菜を適当な大きさに刻む
  2. 陳皮と切り昆布を用意 
  3. 調味料を用意 
  4. 全部入れて良く揉む 後は密封容器に入れて冷蔵庫で1晩おくだけ。

(2)、野沢菜漬け

 熱々のコシヒカリのご飯と野沢菜があれば、もうあとは何もいらないという人は多い。新潟の旅館の朝飯に、感泣したことを思い出す。
 野沢菜漬けといえば長野を思い浮かべうが、最近は日本全土で漬けられている。特に野沢菜は採れたてを漬け込むことが、美味しく食べる秘訣だ。長野の野沢菜漬けの材料は日本の各地から取り寄せていると聞く。長野産だけでは賄いきれないからだ。
 噛めばシャキシャキとして、頃合の塩加減が抜群にご飯に合う。酒のつまみにも最高だ。その野沢菜漬けのつくり方は以下の通りである。
<材料>

・野沢菜(5kg) ・塩(250g)
・鷹の爪(20本) ・味噌(1合弱)

<漬け方>

1、株をばらして中をよく洗う

2、取り出しやすいように1回分づつ縛る

3、材料

4、樽にナイロン袋、衛生上いつも付ける。

5、1番下に少し塩、1段入れたら鷹の爪、塩を。

6、塩は最後の段まで適当に繰り返す

7、最後の段には鷹の爪、塩の後に味噌を入れる

8、重石はつけるものの2倍、今回は10キロ。水が上がったら減らしてひたひた程度にする

漬けてから1ヶ月ほどで食べころになる。寒いからこそ美味しくなりのだ。

(3)、たくあん漬け

冬の大表的な漬物である。雪国新潟では11月末から遅くても12月末までには漬けられる。寒い中で1ヶ月間漬けられてあの美味しい味が出来上がる。
大根は寒風にさらしてしなしなになるまで干し、漬け込むのが一般的だ。そのような大根干しの風景は、今は見られなくなったが残しておきたい日本の風景のひとつであろう。
さらに隠し味として一緒に漬け込む材料によって、各家庭の味が醸される。
<材料>

・干し大根(30kg、70本)
・こぬか(4kg)、塩(1,8kg)
・ざらめ砂糖(500g)
・鷹の爪(20本)、果物の干し皮(2kg)

1、株をばらして中をよく洗う

2、取り出しやすいように1回分づつ縛る

<漬け方>

1、干し大根を転がしてもむ。

2、こぬか、ざらめ、塩を混ぜる。

3、桶にビニール袋を入れる。

4、最初に混ぜ合わせたこぬかを敷いておく。

5、大根を隙間無く1段敷き詰めたら鷹爪をいれ、こぬかをまく。繰り返す。

6、最後の大根の上には果物の皮を敷き大根の葉っぱも敷いて残りのこぬかをまく

押し蓋をして重石はたくあんの2倍、約60kを置く。しばらくすると水が上がってくるから、重石を順次減らして水が浸るくらいを維持する。1ヶ月くらいで食べごろとなる。

(4)、松前漬け

 松前は北海道の松前藩のことだそうで、そこで良く採れる昆布やスルメで作ったのが始まりのようだ。だから元は新潟の漬物ではない。おめでたい食材を使っているのでお正月によく作られている。
<材料>

・切干大根(40g)
・するめ(10g)、昆布(10g)
・人参(20g)
・酢大2、醤油大2、砂糖大1、酒大1

<漬け方>

 切干大根は水でよく戻してから軽く搾る。そこにスルメ、昆布、人参を細く刻んで入れる。 調味料はお酒入りなので出来れば1度煮立てて冷ましてから混ぜる。
 スルメを細く切れなかったら酒をかけて戻しておくと食べるとき硬くなくてよい。
この場合、調味料を煮立てるときスルメごと入れてもよい。
 タッパーかビンに入れて2~3日おくと味がなじんでスルメ、昆布も柔らかくなってくる。何度か上と下をざくっと混ぜると味が平均になる。
 酸味が利いて箸休めに最高だ。人参を入れたら紅白でお正月料理になる。スルメが無かったら宮崎のハリハリ漬けになる。酢や醤油はお好みで調整すればそれがあなたの家の松前漬となる。

(5)、白菜漬け

 白菜漬けは全国的に漬けられている。茄子漬と並んで、もっともポピュラーな漬物だ。白菜の旬は冬から春である。どっと市場に出回から、大いに楽しんでみたいものだ。
<材料>

・白菜(今回は1400g白菜1/2個)、
・塩(42g、白菜の3%)、
・陳皮(約10g、中央の写真の下側、みかんの皮の干したもの)、
・刻み昆布(約6~7g、中央の写真の黒いもの)、
・鷹の爪1~2本(種は抜いておく)

 白菜は1回で食べきれる量に切り分ける(だいたい1/8サイズ)。良く洗い水を切る。(できれば1時間でも日に干す)
 陳皮は刻んでおく。白菜の茎に塩を塗り込みおけに並べる。1段入れたら葉のほうにも塩を振り陳皮と昆布を広げるようにいれる。これを繰り返す。お好みで鷹の爪を1~2本入れる。
 最後は残った塩をまいて平らなお皿か中ぶたを乗せて、重しは中身と同じくらい(ペットボトルに水を入れて使っても良い)。埃除けのカバーをしておくこと。
 夏は2~3日、冬は1週間程度で塩がなれて美味しくなる。
  ポイント1:白菜を切るときは茎を切ったらあとは手で裂く。葉が余計に切れなくて良い。
  ポイント2:陳皮は中国料理用で売っているが、冬にみかんを食べた時に少し干して
おくとよい。白菜が絶品の仕上がりになる。

(6)、蕗のとうの酢漬け

早春の「蕗のとう」を酢漬けにする。ほろ苦い味がしてなかなかいける。

<漬け方>

 蕗を良く洗いさっと茹でる(この時あくが強いので山菜のあく抜きを入れると色が綺麗になる)
お湯を切ってビンに入れ酢を入れる。ただの酢なので少し期間をおくとまろやかさが出て食べやすくなる。
 甘酢とかだし醤油に漬ける方もある。お好みで変更すればいいでしょう。ただの酢が飽きなくて美味しいという人が多いようだ。

(7)、茄子漬け

 日本一の茄子好き県と言われる新潟では、卵型茄子と米茄子が並ぶ。少なくとも、焼き茄子用の長茄子、浅漬用に丸茄子や小茄子が数種類並ぶのが普通である。7~8種類並んでいても、誰も驚かない。
 つまり、茄子売り場が独立して存在する地域なのだ。なにせ、茄子の作付面積が広い割りには、出荷金額が小さい。自家消費が多い証拠と言われている。ともかく、美味しいご飯に茄子の漬物の食事パターンは絶対に崩せない地域のようだ。
 比較的知られている新潟特産は黒十全茄子である。そのなかでも十全茄子と水茄子は新潟の漬物にとって大切な素材だ。
 また茄子漬はお店で買うと高くつく。茄子漬けには各家庭の秘伝があるようだが、簡単だから茄子を一袋買ってきて自分で作ってみよう。
 美味しいし、安いし、ご飯がいっぱい食べられて夏バテしない。向かって右側の茄子は新潟で有名な「十全茄子」、左は「水茄子」である。歯ざわりと味わいが違う。

<材料>

・なす500g、塩4パーセント(20g)、他に少しすりこむ分
・さびた鉄釘3~4本(焼きみょうばんでも良い、小さじ2杯)、
・水450~500cc

<漬け方>

 茄子の量が少ないときはあわせて塩、水を加減します。茄子はへたは取らない(色が良く漬かるから)お尻に切れ目を一つ入れる。さびた釘と水と塩をあわせて煮立てて冷ます。   
 塩を少し茄子にこすり付け揉む。(みょうばんを使う人は一緒にすり込む)
さました漬け汁を茄子にかけてお皿を乗せナイロン1枚乗せて(埃除け)軽い重しをしておく。

(8)、生姜のしそ漬け(紅生姜)

 生姜は重さを量って塩は3パーセント、白梅酢(無いときは酢)、しそ1束くらい葉を取る、他に塩を少し用意する。新鮮な生姜を節ごとに切って良く洗う。皮はむかないで包丁を立てて上から下へ削る。

 まず輪切り次にたんざくに、あまりむきになって細くしなくても良い。
水分を切るために軽く塩をして混ぜ、30分ほど待ちます。出た水は捨てざるで水切りする。

 しそを洗って少しの塩で揉む、汁を絞って*白梅酢*をこさじ1杯程いれてもむ。色が出てきたら汁と3パーセントくらいの塩と一緒に生姜に混ぜ込み出来上がり。しそが混ざるといやな人はお茶パックなどに入れて使うといいだろう。

参考資料:http//www.e-yomogiya.jp/tukemono.htm

 保存ビン等に入れ暗いところへ置く。ビニール袋で冷蔵庫でも良い。1日1回くらい混ぜる。良く漬かり色も濃くなる。1週間ほどから食べられるが長く楽しめる。
 白梅酢は梅干しを作るとき塩漬けをするが、その時に水がでる。この水は何年たっても腐らない。その色だしには最高です。普通の酢でも良い。
 生姜の食べ方はいろいろある。やっこ豆腐に乗せたりお好み焼き、焼きそばなど豊富である。生姜は体の代謝を盛んにしてくれる。それでいて寝付きも良くなる。体を温めるからだ。日本にはほんとに良い食材がいっぱいある。着色剤なんて使わなくても真っ赤に漬かり、生姜の味が生きているのだ。
以上が新潟からの漬物概論である。