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2007年09月01日 08:45

VOL 4

○ママたちの食育概論(その2)

3、食育の教養はこうつくる(応用編)

 中村プログラムの「食育の基本編」を押さえた後は、さらに食の教養を学び、生かす段階に入ることになります。しかもこの教養過程は我らの人格形成に多くの影響を与えます。応用編の学びは人生を豊かにする糧ともなるからです。
 ではスローフード視点による食育とは、いかなるプログラムを組めばいいのでしょうか。当初より悩み抜いてきた、基本的な課題の壁が立ちはだかります。
 とくに我らスローフード関与者は、一般の食育とは一線を画した食の教養や体験(ワークショップ)を、深く学び実践したいと念願しています。それらを踏まえて「スローフード・にいがた」は以下の教養を学び、実践しようとしています。
その主なものは次の事柄です。

  1. 郷土の食文化に関する教養(伝統料理、食材)
  2. おせち料理に関する居威容
  3. 旬の食材とその効用に関する教養
  4. 新潟の家庭料理カレンダーに関する教養
  5. 美味しさの秘密に関する教養
  6. 子どもの発達段階と食に関する教養
  7. 食料自給率と食卓に関する教養
  8. ファストフードと子どもたちに関する教養
  9. 味覚に関する教養
  10. だし文化に関する教養
  11. マクロビ食、免疫食に関する教養
  12. 漢字に学ぶ食育の教養
  13. 元気になる食事に関する教養(まとめ)
  14. なつかしき未来食に関する挑戦 などです。

これらの内容について以下論じることにいたします。

(3-1)、郷土の食文化に関する教養(伝統料理、食材)

 スローフード運動にとって、郷土の食文化の教養は大切です。それらを私たちは「新潟料理」の教養と呼ぶことにしています。京料理や加賀料理があるのなら、新潟料理というブランド名があってもいいからです。それについて触れることにします。
  我が郷土の新潟は、日本海沿いに縦に長く、様々な食文化を育くんでいます。郷土の食文化研究家の本間伸夫先生による新潟の風土の特徴は、つぎのように指摘されています。興味深い分析です。

  1.  新潟は日本海に面する越後と島国の佐渡と粟島より構成される
  2. 越後は信濃川、阿賀野川などの大河川、新潟平野などの平地、潟沼の低湿地が多い
  3. 越後山脈に囲まれて、県外に対して閉鎖的である
  4. 佐渡と粟島は暖流の中の島であり、冬季比較的小雪で温暖
  5. 全体として夏季高温で、意外と日照時間も長い
  6. 山側は多雪、そのために春の雪解け水が豊富である

この風土が様々な農産物などの食材と伝統料理を生み出しています。その食材や伝統料理をざっとまとめると次のようになります。


1次産品 加工品
長岡野菜・・村上の鮭
関屋のかぼちゃ・・甘えび
五泉の里芋・・のどくろ
女池菜・・寒鰤
食用菊・・赤ひげ
青山ねぎ・・もずく
亀田の梅・・いねごり
長いも・・村上牛
黒十全・・越後餅豚
寄居蕪・・岩牡蠣
ル・レクチェ・・天然塩
ヤワハダ葱・・古代米
コシヒカリ・・村上茶
醤油はらこ・・鮭の塩俵漬け
鮭の飯ずし・・鰊大根
鰊の麹漬け・・変わり鰊漬け
押し鮨・・なめぜえ
筍入り梅干し・・しめ豆腐
焼餅・・おこわ団子
粽・・笹団子
おもそ笹団子・・かんずり
あご出汁・・栃尾の油揚げ
豆麩・・越後味噌
車麩・・地酒
地ワイン・・ライスパン
ヨーグルト・・ちくわ・かまぼこ

伝統・郷土料理
大海  のっぺ汁  わっぱ煮
いとこ煮  蓮根の小豆煮
おひら  かんじょう煮もん
ざくざく煮もん  かんずり餅 
   おぼろ豆腐  鮎の石焼
鮭の酒びたし 鮒のもうかぶり
山餅、    河豚の子の粕漬け
ケンサン焼き  朴の葉のおむすび
魚飯、からし巻、 せんぞうぼう
わっぱ煮、 わっぱ飯、 くじら汁
小千谷蕎麦     十日町蕎麦
しんこ餅、    かきのもと
ふかしなす、 烏賊のごろわた煮

新潟の最もポピュラーな郷土料理といえば、次の3品です。


<のっぺい汁> <鯨汁> <いとこ煮>

 いずれも新潟の風土に根ざした意味深い献立です。この他にも地貌の料理が数え切れないほどあり、脈々と受け継がれ、あるいは消えかかっています。
 その先人たちが残した1次産品、加工品そして伝統・郷土料理を前にして、その豊富さや奥の深さにはただただ脱帽するしかありません。食べても、食べても食べきれない新潟料理があるのです。これが地域食文化の醍醐味というものなのでしょうか。
 たとえば新潟を代表する「のっぺ汁」は、里芋のとろみを利用して片栗粉を使いません。しかも家の数だけの我が家の「のっぺ汁」のレシピがあります。新潟で豊富に獲れる鮭の身や卵を使う家も多くあります。村上の鮭、糸魚川の鰤文化の違いが、今なお色濃く残っているのも、日本海に長く沿っている新潟の特徴です。
 お酒にも多くの特異性がみられます。上越の甘口、中越や下越の辛口などは、水、米、などの風土がほどよく名酒つくりに貢献しています。「酒は新潟に有り」は愛飲家の合言葉です。新潟と聞くだけで、よだれが出るといいます。日本を代表する百ほどの蔵元が醸しだす日本酒文化は、新潟ならではの出来栄えを誇ります。
 さらにお餅や米菓の企業が多いのも、お米王国の新潟の地貌産業の形です。きむら食品、さとう食品、亀田製菓、岩塚製菓、栗山製菓など日本を代表する企業が、新潟の米文化を今に伝えています。
 私たちはスローフード運動を通して、これらの文化の発掘と保護、および新しい形での次世代への伝承を意図した動きを加速していきたいと念願しています。「伝統は永遠の流行である」という名言に励まされながら、今日も丹念な調査とワークショップを行っているのです。

(3-2)、おせち料理に関する教養

 行事食の代表である「おせち料理」について少しふれておきます。
 元来、「おせち料理」の語源は、日本の暦上の五節句(Ⅰ月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽)に、五穀豊穣・家族の健康・子孫繁栄などを願って、神様にお供えをしたことが始まりとされています。それが現在ではお正月料理を「おせち」と呼ぶようになったのです。
 おせち料理は、縁起の良い山海の幸を組み合わせたもので、大変美味しく栄養バランスのとれた食べ物であるとも言えます。以下がその由来と縁起の一覧表です。


献立 縁起由来
お多福豆 ふくよかなおたふくの顔に似ていることから<福を招く>
数の子 二親(ニシン)からたくさんの子が<子宝に恵まれる>
田作り 五万米(ごまめ)とも呼ばれ、豊作の一年を<五穀豊穣>
ごぼう く長くしっかりと根を張ることから<安定した暮らし>
れんこん 穴を通して向こう側がよ~く見える<先の見通しがきく>
里(子)芋 里芋には子芋がたくさんついている<子孫繁栄>
里(親)芋 頭(かしら)芋ともよばれることから<人の上に立つ>
いくら 美しい輝きとたくさんの卵を持つ<財宝・子孫繁栄>
海 老 長いひげを生やし、腰の曲がった風貌から<長寿>
コハダ コノシロという魚の成魚になる前の名前(出世魚)<長寿> 
栗金団(きんとん) 黄金色に輝く財宝にたとえ<豊かな年>
「勝ち栗」という言葉があるように栗そのものの縁起も良い!
伊達巻 昔の人は大切な絵や文書を巻物にして家宝にしていた
(伊達者=シャレ者という意味)<おしゃれな家宝>
昆布巻 「よろこぶ」とかけて<健康長寿>
錦玉子 黄身と白身の2色の美しさを「錦」とかけて<金銀>
紅白蒲鉾 魔除けの意味を持つ「紅」は慶びを表し「白」は神聖を表す
雑煮餅 お餅が長く伸びることから長寿のたとえ<長寿>
黒豆 「まめ」に働き、無病息災と言われることから<健康長寿>

 おせち料理に込められた我が日本民族の願いは、以上の通りです。この縁起由来を「駄洒落」と読むか、民族の教養と読むかは意見の分かれるところです。
 ただし天皇家の行事食には、この縁起由来が多く含まれています。世界にほこるべき日本食として自信を持つべきであろう思います。


(3-3)、旬の食材とその効用に関する教養

 日本食の基本は地元の旬の食材を、そのまま生かしきることが特徴です。それが四季を生きる日本人の身体に合った知恵であり、食性にかなうとされています。
 身土不二なる教えもここからきています。我らが旬の食材を口にする時は、自然に心がなごみ、思いは田畑や故郷へと飛ぶのはそのためです。ほっとする・・と言ったほうが正確な表現かもしれません。
 しかしその旬ですら我らの生活から消えかかっています。もはや旬を味わうことは、贅沢な範疇に入ります。今まで当たり前だった旬を味わう権利が、知らず知らずのうちに奪われて喪失しているのです。
 そしてその喪失感が多くの日本人を、食に対する不安へと駆り立てている気がします。スローフード運動はそこを危惧しているのです。旬を楽しむ権利を奪い返そうとしているのです。その旬について、とくに旬と健康の関係について改めて考えてみることが大切になります。

まず「旬」の定義です。
<旬とは>

  • 旬とは、ある特定の食材において、他の時期よりも新鮮で美味しく食べられる時期のこと
  • 旬には出始めの「走り」、最盛期の「盛り」、そろそろ終わりになる「名残り」がある
  • 旬の期間は10日間くらい
  • 旬の食材の特徴は4つほどあります
  1. 収穫量が多いので価格が安い
  2. 栄養価が高い
  3. 人間の食性にかなう。季節に合わせた人間の身体をつくる力がある
  4. もっとも美味しい(ただし寝かせると美味くなるものもある)

 日本列島は縦に長く、旬の時期が微妙にずれます。それを表すのが「桜前線」「紅葉前線」などといわれる美しい言葉です。季節の南下あるいは北上を表現しているのです。
 旬の食材にもこの前線が存在します。野菜、果物、魚介類、畜産類など自然界は、旬のカレンダーを持つごとく、時間のテーブルの上での輪廻転生を繰り返しています。
 しかもそのテーブルに我らも自然の一部として乗って、食の連鎖の頂点に存在しているのです。いわば人間の身体も精神も、実は「旬」に生かされている存在にすぎないのです。「旬」という概念を別の角度から捉えると、そんな宇宙の摂理が見えてきます。
 こうなるとこの「旬」という概念で一番重要なのが、「旬と人間」の関係であることが分かります。旬の食べ物が安くて、美味しくて、栄養があることは誰でも理解しています。
 しかし「旬」が我らの精神活動や健康にも、多大な影響を及ぼしていることを、このファストモードの社会は忘れかけています。ここが問題なのです。人間の自然界に対する傲慢さが眼につくのです。
 また旬という自然のカレンダーにもっとも近いのが太陰暦です。月齢を基準にした農事暦です。この農事暦から食材の「旬」の時期を定めるのは、理にかなったこととなります。そして日本の「24節気と食」の関係に対して、改めてその奥深さに目を見張り、感嘆させられます。
 余談ですが日本の言霊の至宝の歳時記は、旧暦すなわち太陰暦を基準に季語として分類されています。ですから俳句は瞬時に旬を感じ、詠みとる文学なのです。
 さて「旬と人間」、とくに「旬(季節)と身体」についての一般的な教養を、学んでおきましょう。旬の食材が我らの身体に及ぼす影響についてです。
<旬の食カレンダー>

<旬と身体>
春は目覚めの季節。
気候は陰から陽へ変わり、萌えいずる新芽が身体の目覚めを促進する。
若菜の苦味で、身体は開かれ緩み、全細胞が活発に動き出し、新鮮な血液が作り出される。
<24節気>
2月4日(立春)
2月19日(雨水)
2月24日(人日の節供)
3月6日(啓蟄)
3月18日(春の彼岸入)
3月21日(春分)
4月5日(清明)
4月19日(桃の節供)
4月20日(穀雨)
<旬の食材>
○ 野菜、果物
わらび、たらのめ、たけのこ、新たまねぎ、春きゃべつ、うど、セロリ、ふきのとう、こごみ、みつば、せり、あさつき、わかめ、そらまめ、
○魚介類
真鯛、マナガツオ、飛び魚、鰆、めばる、山女、ヒメマス、白魚、あさり、はまぐり
<旬と身体>
大量の汗を出して新陳代謝が盛んになり、排毒されて身体がきれいになる季節。
陰性な食材が生長する自然界の活動が活発になる。
身体を冷やして、夏の暑さから守ってくれる野菜や果物が次々に実る。
身体の脂肪をどんどん燃やす。
<24節気>
5月6日(立夏)
5月21日(小満)
6月6日(芒種)
6月19日(端午の節供)
6月22日(夏至)
7月7日(小暑)
7月23日(大暑)
8月8日(立秋)
8月13~16日(お盆)
8月19日(七夕の節供)
8月23日(処暑
<旬の食材>
○ 野菜、果物
とまと、なす、きゅうり、ししとう、たまねぎ、とうもろこし、さやいんげん、みゅうが、しそ、じゃがいも、ピーマン、冬瓜、レタス、モロヘイヤ、ゴーヤ、かぼちゃ、新ごぼう、昆布 枇杷、梅、さくらんぼ、桃、すいか、瓜
○魚介類
あいなめ、鰹、まあじ、たちうお、鯉、虹鱒、鮎、うなぎ、鱧、すずき、するめいか
<旬と身体>
気候は陽から陰に、ゆっくりと変わり、身体にエネルギーを蓄える時期となる。
でんぷんたっぷりの五穀が実り、脂肪豊富な木の実が身体の内側から温める役目をする。それを食べて冬の寒さに備えた身体をつくる。
さらに表皮は閉じて、熱も栄養も逃がさない身体になっていく。
<24節気>
9月8日(白露)
9月20日(彼岸の入り)
9月23日(秋分)
10月6日(中秋の名月)
10月8日(寒露)
10月23日(霜降)
11月3日(十三夜)
<旬の食材>
○野菜、果物
れんこん、小松菜、ごぼう、小豆、大豆、大根、 さつまいも、しいたけ、しめじ、まいたけ、白菜、ねぎ、人参、青梗菜、里芋、山芋、秋茄子、松茸 りんご、ぶどう、木の実(くるみ、ごま、椎の実) 柿、栗、いちじゅく、梨、メロン、
○魚介類
秋刀魚、鯖、鮭、ししゃも、ほっけ、鰹、牡蠣
<旬と身体>
陰の気が強い冬は、身体を休ませ、心を遊ばせる季節。
適度に脂肪を蓄えた身体は、寒さをものともしない。
太陽の光を蓄えた乾物や温かい鍋物や粥が内から身体を温める。
蓮根などの根菜は身体を温める働きがあり、寒い時期を乗り切る力を与える。
<24節気>
11月7日(立冬)
11月22日(小雪)
12月7日(大雪)
12月22日(冬至)
12月31日(大晦日)
1月1日(元旦)
1月6日(小寒)
1月11日(鏡開き)
1月15日(小正月)
1月20日(大寒)
2月3日(節分)
<旬の食材>
○野菜、果物
水菜、春菊、人参(保存)、ブロッコリー、大根(保存)、ほうれん草、白菜(保存)、ねぎ(保存)、干し野菜・山菜(ぜんまい、干し柿、干し大根・・)、 塩漬け野菜・山菜、木の実や種子、里芋(保存) みかん、
○魚介類
たら、ぶり、あんこう、ひらめ、かに、あまだい、きんき、さわら、まぐろ、真鯛、公魚、

 以上が旬の食体系です。太陰暦と旬の食材、それに24節気をからめて俯瞰すると、我ら人間がいかに大自然に生かされているかが理解されます。

 春になれば身体を起こすために若葉の苦味が効き、夏の作物は身体を冷やす機能を持ち、秋の作物は身体に脂肪を蓄えるために利用され、冬の作物は身体を芯から温める機能を発揮するのです。
 そして大自然の営みの不思議さと雄大さに、我らが生かされていることへの畏怖の念を改めて感じるのです。
 「いただきます」とは、そんな大自然の命の摂理に感謝する言葉です。ただただありがたく頭を垂れるしかないのです。しかも一年中出回っている「無国籍、無季節」な食材を、分別もなく食卓に上げていることの、無知に対して反省すべきなのです。
 この「旬」を知りたければ、近くの朝市や産直場に足を運ぶといいでしょう。まさしく朝市で得られる元気やエネルギーは、この「旬」そのもののパワーです。朝市に訪れる人々が誰でも感じる実感なのです。
 スローフードの仲間が立ち上げた朝市には、旬というオーラーが漂っています。このオーラーに触れるために、多くの人々が足を運んでいるのです。これは得がたい発見です。
 まずは月齢暦(太陰暦)を部屋の壁に貼ってみましょう。毎日の生活と食卓が旬と共に動いていく、その実感と感動を得ることができます。
 次号はその旬の食材を用いた、食卓のつくり方について考えることにいたします。


○ママたちの食育体験レポート(1)

2007年8月25日の食育学会で開催された、佐藤サダ子さんのドラマにも似た貴重な食育体験講座をご紹介します。
演題は「サダ子の元気おむすび講座」です。聴講者は40名です。

佐藤サダ子さん

<講演内容>
 佐藤さんは男の子を2名育てた現役のお母さんです。新潟市に在住され、ママたちの食育学会の副幹事で活躍されています。
 佐藤家の食育は、野球少年の男の子2名との葛藤から端を発します。野球でヘトヘトになり、帰宅しても食べないで寝るだけの、わが子を気遣う母親のアイデアが、今回の「サダ子のおむすび」というドラマを生んだのです。
 食べない子に食べさせるにはどうすればいいのか。どこの家庭にでもある悩みです。佐藤さんも悩んだといいます。そこで思いついたのが、おむすびです。食べやすくパワーがつくおむすびです。それも巻き寿司とおむすびを合せたような、棒状のノリ巻きおむすびが今回の主人公です。ワンハンドおむすびとでもいえます。
具は以下の2種です。

  1. 玉子焼と梅干のたたき
  2. 玉子焼と紫蘇味噌

 この組み合わせは、玉子焼きの「こってり感」と梅干や紫蘇味噌の「さっぱり感」が微妙に絡みあい、スイスイとお腹に収まります。さらに特製ドリンクの「オロナミン+牛乳」が子どもさんにパワーを与えたと言います。そしてやがて、少年の部の全国野球大会にも息子さんが出場をはたすことになります。
 さらに息子さんが大学に進み、帰省する度の土産に、このおむすびを持たせたと言います。このことが息子さんの友達にも好評で、それがいつしか「サダ子のおむすび」と言われるようになります。プライベートブランドが誕生したのです。
 ここまで論旨がすすむと講師の佐藤さんの顔が、緊張から解放されて、にこやかに和みます。40名の視聴者は、みな静まり返って聞き入ります。


サダ子のおむすび

 次はさっそく「サダ子のおむすび」をいただくことにしました。持参された試食品はあっと言う間に消えます。ただし食べるだけではありません。このおむすびを「一言の言葉で表す」作業があります。キャッチコピーつくりです。40名全員がカードに、感想の一言を書き、黒板に貼り付けるのです。
 さて「サダ子のおむすび」には、どのようなキャッチコピーがふさわしいのでしょうか。
寄せられたコピーは以下の通りです。


・ 巻き寿司おにぎり
・ つい食べてしまうおにぎり
・ 小休止の味
・ 紫蘇味噌が最高の味
・ 青空
・ 子育ての味
・ 力強い母の味
・ 母の手づくりの味
・ 我が家自慢の味
・ 郷土料理の優等生
・ 大好き❤玉子焼き
・ すっと入る味
・ また食べたい、もっと食べたい
・ 母の愛情の恵方巻き
・ 食育おにぎり
・ 愛情おにぎり
・ おふくろの味
・ 慈愛
・ やさしい味
・ 目が覚めるおにぎり
・ しそみそ 最高
・ などなど

全員で投票しました。
票数の多い上位のキャッチコピーは以下の通りでした。

  ● 力強い母の味 

  ● 子育ての味

  ● 滋味

  ● 食育おにぎり

  ● また食べたい もっと食べたい

決まりました。
 心身を満たす、力強い母の味 「サダ子のおむすび」
です。「力強い味」という措辞がすべてを語っています。
 佐藤サダ子さんの実学発表はわずか30分程度でした。しかし聴講生全員から惜しみない拍手が湧き起こりました。これが食育なんです。みんなそう実感しました。
 食育などと偉そうに肩に力を入れてみても、所詮、母たちの実学には勝てません。おむすび一つのドラマに凝縮された、25年来の佐藤サダ子さんの想いとその食育講座。事務局としては自慢したいと思います。
次回は、10月25日、本山れい子さんのお話を予定しています。
*スローフードでは「おむすび」と呼び、ファストフードの「おにぎり」と区別しています。



当学会講座に参加希望の方は、下記までお問い合わせください。

〒951-8067 新潟市中央区本町通七番町
石山味噌醤油(株)内
「スローフード・にいがた」事務局
ママたちの食育学会宛
電話:025-228-9462