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スローフード・にいがたコラム特集 スローフード・にいがたは新潟の自然、食文化を守るそのプロモートを目指しています。スローフード・にいがたは、次のの3点をプロモートする協会(代理店)の名前です・ 消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質の良い食品、酒を守る・ 質の良い素材を提供する小生産者を守る・ 子ども達を含め、消費者に味の教育をすすめる。メッセージ:新潟の豊かな自然と食文化をひたすら守り、とことん楽しみ、そして活気ある、そんな、なつかしき未来をつくろう!

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スローフード瓦版 VOL 12 (08/05/01)
1食のゆくえを考える(6)
VOL 12

1食のゆくえを考える(6)

3-10、食料自給率のゆくえ

 第2章の「食卓に迫る危機」でも若干とりあげたが、もう少しこの「ゆくえ」を考えてみよう。
 日本の食料自給率が40%前後を推移しているのは周知のことである。その危機感を機会あるごとに、お話していますが、大方の人々は「そうだねぇ~、大変だねねぇ~」と、諦めに近い反応しか返って来ない。グローバル化した21世紀の世界で、日本の食料の輸入がまったくゼロになるなんて、まず、ないだろうとタカを括っているからだ。戦後の食料難を経験したことの無い世代が、過半数を占める日本だから、飢えの怖さも知らないから当然かもしれない。
 しかし「今、すぐそこにある食卓危機」が存在しないわけでない。カロリー自給率40%なんて、極めて異常な状態なのだ。その現実の起こりうる危機については、3つのケースが考えられる。

1、突発的・一過性の危機
     ⇒港湾スト、主産地の天候不順、局地的戦争、中国の買占め
○対処法―産地の分散化、穀物の備蓄である程度は防げます。
2、 中期的・サイクル的危機
     ⇒地球規模の異常気象が2~3年続く場合。
○対処法―国内での増産体制を成功させないと、危機は乗り切れない。
3、 マルサス的危機
     ⇒地球規模で、人口と食料生産のバランスが崩れる事態になれば、日本は深刻な危機に陥る。
○途上国の農業生産力を飛躍させるための援助・技術協力をしておく。
遺伝子組み替え作物(GMO)に頼らざるえなくなる。

以上の危機を想定して、西欧諸国は食料安保政策を、しっかりと執っている。
では、我が日本には食料危機への対応マニュアルが無いかと言えば、実はある。2002年に農水省がまとめた「不測時の食料安全保障マニュアル」がそれである。一般にはあまりお目にかからないマニュアルだが、「レベルゼロ」から「レベル1」「レベル2」まで危機の種類と程度に合わせた段階ごとに、何をするか、その行政手続や法的根拠など、コト細かに決められている。
もう少し詳しくレポートしよう。

(レベル1)、特定の品目について、翌年の供給量が平常時にくらべて、20%以上減ると予測される状況のこと。
      <対処法>

・備蓄をとりくずしながら、緊急増産に乗り出す
・国民生活安定緊急措置法や買占め防止法を発動する
・代替輸入先を探したり、輸入量の確保を業界に指導する
・緊急増産の手順も、作付計画から種子や肥料、農薬の確保までマニュアル化されている

(レベル2)、1人1日当たりの供給熱量が2000キロカロリーを下回ると予想されるような状態になった段階のこと。2、3年も続く異常気象やマルサス的危機が到来した事態を想定している
        <対処法>

・第2次世界大戦中の統制経済の再現となる
・カロリー確保に役立つ穀物や芋類の生産を最優先に、耕作できる土地はすべて農作物をつくる

(レベルゼロ)、レベル1やレベル2の状態に発展しそうな兆候が生まれた段階のこと。米の不作や安全性の問題で、輸入を規制する事態を想定している
      <対処法>

・備蓄の活用を用意したり、輸入先の多角化を促す
・予防的・初動的対策が中心になる

備蓄の品目は、コメ、小麦、大豆そして飼料穀物を制度化して運用している。
 問題は、不測時における食料供給能力の保持で、マニュアルでは「農地・担い手の確保、農業技術水準の向上で食料自給率を高める」としているが、これが日本農業の体質にかかわる難問となる。

 農家の高齢化が急激に進み、しかも作地面積がすでに480万ヘクタールを割り込んで、毎年休耕地が大幅に増えて、470万ヘクタールの確保は不可能の状態となっていることだ。
 いわゆる2009年の「3農危機」が現実味を帯びているのが現状である。畜産も破壊的な打撃をうけて大混乱するはずだ。このように「不測時マニュアル」には具体的な弱点が数多ある。
 しかし3つの「平素の取り組み」という部分では、評価されるべきかもしれない。「効果的な備蓄を用意し、安定的な輸入を確保し、そして平素から不測時における食料供給能力を保持しておくこと」の3つである。
 そして今後は最後の項目の「食料供給能力」の確保に、全国民が目を向けなければならないのだが、緊張感がまるで伝わってこないのが現状の姿なのである。その日本の農業は今後どうなるのだろうか。その辺を、有識者の意見や行政の動きを見ながら、整理してみよう。
 まず日本の農政が「2010年のあるべき姿の農業」として、大転換を図ろうとしている。そのことから論を進めることにする。
 そのあるべき姿とは、2000年に策定された「食料・農業・農村基本計画」が2002年には「食と農の再生プラン」となり、さらに2005年3月には同計画が更に改定されて、それを土台に10年間の「あるべき姿」としてまとめられたヴィジョンを指す。しかも自治体別に食料自給率の目標を定め、達成に努力するように求めることが明記されている。
 同計画の眼目は、農家を過保護することを止めて、国民全体の観点から農業や農村の構造を変えていこうということに尽きる。その走りが、最近の農業特区や農業法人への株式の参入の緩和である。賛否両論はあるものの、農政は大転換を行いつつあるのだ。その農水省が考える「2010年の日本農業の構造」は、次のようなイメージだ。

ここ

要約すると

1、320万戸を超す現在の農家の中から「約40万の大規模経営体」を選抜して、手厚く保護を加えていく
2、その為には、「米政策の大転換」「特区への株式会社参入容認」する
3、この農政の大転換で、農業者の高齢化と離農、非耕作地の増大による食料生産の安定供給の危惧を解消する

ということになるだろう。いわば40万のプロ組織による大農園化構想(圃場1区画が最低でも1ha以上)で、安定的な供給と、効率的な生産のできる生産者組織を育てることになる。

 ただしクリアーしなければならない課題も山積している。分散錯圃の大区画化に伴う所有権問題や農地の貸借権、経営委譲、生産共同化など、同質をよしとしてきたムラ社会の根幹を揺るがす、難しい問題があるからだ。
 「ばらまき農政」から「選抜された農政」に変わることへの、抵抗勢力も危惧せねばならない。さらに見放される棚田などの零細農業や、土地持ち非農家のあり方などの議論も深刻になる。
 しかしピンチがチャンスと考えれば、棚田農法には、それなりの付加価値があり、産直や契約栽培などが有利になる。大農園構想に組して、画一的で値段を抑えられた生産をするよりも、のびのびと農業を楽しむ、いわゆる「楽農」もまんざら捨てたものではないからだ。
 また零細生産者による産直、いわゆる農村マーケットがさらに加速して、食料自給率を高めるのに効果を発揮すると見られる。現在の産直マーケットは、年間4000億円の規模まで成長し、既存の系列流通のシステムに穴をあけるまでに力を持ってきた。政府が目指す「大規模農業」に対抗する、別の形の農業が地産地消の推進者として、日本の食卓を支えることになる。
 さらに土地持ちの非農家にも新たな動きが出てくるはずである。市民農園や農業公園による、スローコミュニティへの衣替え構想だ。その担い手になるのが、地方の土建業や帰農を目指す団塊の世代集団である。
 「土建の帰農」というキーワードがすでにささやかれ、多くの土建がふるさとの再生と雇用創出に向けて動き出しているのだ。この動きは「なつかしき未来村」構想という大胆な形で後述したいと思う。
 食料自給率40%の「瑞穂の国」の農の再生は、30~40%もの休耕、減反を続けることだけでは到底できない。ならば日本は目いっぱい米をつくり、余ったらいろんな加工食品や家畜の飼料としてもいいのではないか。バイオ燃料用の多収穫米の栽培も考慮して然るべきである。そんな農政が描かれれば、逆に世界の食料不足に寄与できるのではないか。
 欧州は麦、米国は豆やとうもろこしがあり、それが食料安保を支え、国の礎ともなっている。日本の根幹は米である。この米の生産を小手先の事情で、減産させてはならないのである。

2スローでウオッチング(12)

1、新潟は奇祭の宝庫だ。その代表例を3つご紹介しよう。

 (1)津川の狐の嫁入り行列(5月3日)
     ⇒狐メイクの人々が町を練り歩く幻想的な奇祭
 (2)ほだれ祭り(3月第2日曜)
    ⇒栃尾に嫁いできた初嫁が男根形のほだれ様にまたがり、
      これを村の男衆が担いで練り歩く。五穀豊穣と子宝・安産を願う奇祭。
 (3)越後浦佐毘沙門天堂の裸押合大祭(3月3日)
     ⇒男集が「ご利益札」を奪い合う、日本3大奇祭のひとつ。

新潟県人ならば必見の民俗文化といえる。ちなみに狐の嫁入り参加は、今年の「スローフード・にいがた」が予定にしているイベントである。

2、「のんびり」という言葉で、すぐ連想する事象がある。「温泉」「故郷」「老後」「田舎」「おふくろ」などである。なかでも「温泉」=「のんびり」なのだ。
とくに「温泉に浸かり、のんびりしたいなぁ~」と吐露する人々は多いはずだ。しかし実際温泉に行ってみると、なかなかそうはいかない。疲れ果てて都会に帰るのが関の山である。それでも「温泉」は永遠に「のんびり」の横綱だと僕らは信じて疑わない。
我らには、どうやら、先入観としての「のんびり」が先ずありきで、あとから温泉という好イメージが作り上げられているようだ。
スローという事象も、実は、逃げ水を追いかけることなのかも知れない。スローフードという運動も、また、かくの如し?

3、フードバンク(食べ物の銀行)活動が日本でも始まった。
品質に問題がないのに、破棄される食品や飲料を集めて、生活困窮者に無償提供する取り組みである。缶詰やレトルト食品が多い。
NPO法人「セカンドハーベストジャパン」がこの運動の担い手である。外資系の会社が40社ほど参加している。昨年は年間300トンの食品を集めた。
アメリカでは200以上の団体があるが、日本では否定的な企業が多く、相変わらずお金をかけて捨てているのが現状。事故があったら厄介だと、いうのが主な理由のようだ。ニチレイグループが唯一参加しているだけである。
毎年1000万トンの生ごみを捨てている日本。捨てる神あれば拾う神もあるのが世の習いである。もったいない運動は、フードバンクから始めよう。

4、新潟がマンションラッシュに沸いている。駅前を中心に続々と高層マンションが売りに出されている。
顧客は中高年層と若い転勤族が多いと聞く。中高年層には生活の便利さと福祉医療の充実が受け、転勤族には資産価値としての購入が主な目的である。
高度成長時代には、我が家を郊外へと求めた人々が、今度は市街地へとUーターンを始めている。
なつかしき30年代の日本の縮図が、実は新たな形の高層マンション・コミュニティとして現れている。過疎の格差は、ここ新潟でも顕著になりつつある。新潟市の田園都市構想は、高層マンションの彼方からやってきそうである。

5、今年の4月からメタボの予防をめざす、特定健康診断制度が始まる。それに対応するためにコンビ二は春の「脱メタボ」商品を投入する。
ボリュームが売り物だった「メガ」商品から一転した、サラダ系の低カロリー商品群である。肥満予防の弁当も続々と登場する予定。
お手軽な手抜き健康管理は、お近くのコンビ二でする。そんな時代の幕開けである。


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